天国大魔境が面白くなりそうで楽しみすぎる。

台風の影響で会社が臨時休業になり、暇を持て余してAmazonでウロウロしてたら、面白そうなマンガ「天国大魔境」を見つけた。ささっとレビューを見てみると、何らかの災害によって崩壊した世界が舞台になっているらしい。不謹慎だけど、その設定だけでボクとしては気になってしかたない。「AKIRA」とか「終わりのセラフ」とか?ただ、やたら「それ町」の!と書かれているが、ボクは「それ町」を知らない。

二つの世界は同一世界なのか?

Kindle版を買っていそいそと読み始める。何やら学校らしき施設ですごす子供たち。これはなんだか既視感ある感じだ。ここからどう話が展開するんだろう?と読み進めていると、シーンは旅する男女へと切り替わる。何度もこの二つの世界が切り替わりながら物語は進んでいくんだけど、この二つは壁に仕切られた同じ世界なのか?それとも過去と未来の話なのか?この設定だけでも十分面白くなりそうだけど、この天国大魔境はこれでもか!と言わんばかりに謎を乱れ打ちしてくるのだ。

世界はなぜ崩壊したのか?

そもそも世界はなぜ崩壊したんだろう?「人食い」と呼ばれるような怪物が出てきたりするけど、ヤツらの仕業なんだろうか?でも、そんなに大量発生してる感じではないようだし違う気がする。あと、生き残れた人たちはなぜ生き残れたんだろう?

天国ってなんだ?

マルとキルコが旅の目的地としている「天国」ってなんなんだろう?単純に考えると、崩壊を免れて文明が生き続けてる場所があるってことなのかな?先に書いた二つの世界が同一時間軸に存在してるとしたら、あの安全そうな壁の中の世界が天国なのかもしれない。誰かがその世界は地獄だと言ってたもんね。

キルコが受けた手術とは?

これは重大なネタバレになりそうだから慎重に書かなきゃいけないんだけど、この謎はたぶん、1巻の最後に語られる衝撃の事実と関わりがあるはずだ。手術が大災害前に行われたのか、後なのかはわからないけど、キルコは救うべき重要人物なのかもしれない。

まだまだこんなもんじゃない。

いくつかの謎を書き出してみたけど、天国大魔境で乱れ打ちされた謎はこんなもんじゃない。あちこちに「ん?」と気になるシーンが散りばめられていて、全部語ろうとすると内容を全部喋ってしまう浜村淳状態になってしまう気がする。

うーん。続きが楽しみなマンガが増えた。それ町・・・「それでも町は廻っている」は全然趣が異なる内容みたいだけど気になってきた。ちょっと読んでみようかなぁ。それにしても、天国大魔境もそれ町も表紙絵の吸引力が弱い気がする。本屋でこの表紙を見ても手にとらないかなぁ、たぶん。ボクと同じようにスルーしてる人がいたなら、ぜひそれを乗り越えて読んで頂きたい。

天国大魔境(1) (アフタヌーンコミックス)

天国大魔境(1) (アフタヌーンコミックス)

それでも町は廻っている(1) (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている(1) (ヤングキングコミックス)

【終わりのセラフ】なぜ、彼らは絶望に満ちた世界でひたすら「家族」を叫ぶのか?

誰もが「家族」を叫びすぎている。

終わりのセラフは相当おもしろい。アニメ第2期 名古屋決戦編があんな中途半端な状態で終わったのに第3期はないだろうと噂されてるけど、これから更に面白くなりそうなんだからなんとかしてくれよ。

こうなったら原作を読むしかない。ということでコミックス10冊を一気読みしてみたけど、アニメが原作を追い越してしまっていて気になる続きを見ることは叶わなかった。気長に原作を追いかけるしかなさそうだなー。

終わりのセラフを見ているとやたら気になるのが「家族」という言葉の登場頻度が高すぎることだ。あまりにも多すぎるだろうと思って興味本位で数えてみたら、コミックス10冊で114回も「家族」という言葉が出てきていた。結構がんばって数えたし。

ホームドラマや携帯電話のCMとかじゃないのにこの回数は驚異的と言えるんじゃないだろうか。絶望に覆われ荒廃した世界で、彼らが「家族」を叫ぶのはなぜだろう?そんなことが気になったので、ちょっと掘り下げてみることにする。

百夜優一郎(54回)

終わりのセラフ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

終わりのセラフ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

終わりのセラフの中では飛び抜けて、家族!家族!と言いまくってる主人公。両親に「悪魔の子」と言われて殺されかけ、その時点で家族というものを嫌悪しそうだけど、それよりも渇望のほうが勝ったのかな。何度も何度も仲間を家族と言い換えるシーンが出てくる。

俺は親に捨てられたから 家族ってどういうものかわかってないかもしれないんだけどさ……でも聞いていいかな 家族に裏切られたからって…裏切り返すものなのか?俺は違うと思ってる (中略)家族はずっと家族だよ(終わりのセラフ 6 第二十三夜話 帝鬼軍の野望)

「家族はずっと家族」ってなんのこっちゃと思ってしまうけど、家族の絆はそんなに脆いモノじゃないと言いたいんだろう。わからないのに信じたいんだなぁと思うと、それだけで切なくなってくる。優一郎にとって、守るべきものである「家族」の存在は生きる意味そのものだもんな。

百夜ミカエラ(13回)

終わりのセラフ 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

終わりのセラフ 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

僕は両親に虐待されたあげく 車から投げ捨てられてここへ保護されましたァ(終わりのセラフ 1 第一話 血脈のセカイ)

百夜孤児院にやってきて「家族なんてくだらない」と自分の身の上話をした優一郎に、ミカエラは満面の笑みを浮かべながらこんなことを言い放つ。ちょっとコワいというか、笑って話せるようなことじゃないだろう。ただ、はっきりとは言ってないけど「でも、今はこんな家族に囲まれて幸せだよ」というのがそのあとに続く言葉なんだろうな。

だからこそ、百夜孤児院が存在した意味を知ったミカエラは激しく人間を嫌悪するようになる。ってコレは激しくネタバレかなぁ。まぁ、知ってる人しかこんな長文読まないだろうからいいか。

一瀬グレン(12回)

終わりのセラフ 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

終わりのセラフ 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

グレンは「家族」と口にする回数がめちゃくちゃ多いわけじゃないけど、かなり印象的なシーンで声高に「家族」と叫んでいるのが目立つ。たとえば、黒鬼シリーズに挑戦して与一が鬼に取り込まれそうになり、なんとか戻ってきたときに言い放ったこの言葉。

ここにいるのが新しい家族だ おまえは今いる家族に命を懸けろ馬鹿が 過去には何もねぇぞ あるのは未来だけだ(終わりのセラフ 2 第七話 新しいカゾク)

あいかわらず口が悪すぎる。目の前で家族である姉を死なせてしまった与一を踏まえての発言だから、流れで「家族」という言葉を使っているとも言えるけど、「今ここにいる仲間は家族以上の存在だと思って命を懸けろ」という言い方も可能だろうし、やっぱり家族にこだわっている気がする。

それから、感覚的には完全に優一郎と同調してるとしか思えない発言もある。名古屋決戦に挑む前の海老名サービスエリアでの演説でのこの言葉だ。

きっと仲間が何人も死ぬ ここにいる仲間は全員家族だ なら俺たちは家族をこの任務でたくさん失うことになる(終わりのセラフ 7 第二十四話 月鬼のゴウレイ)

優一郎と同じように仲間をわざわざ「家族」と言い換えている。明らかにグレンにとって家族とは仲間以上の存在なんだとわかる。同じ7巻の中で優一郎に向かって「仲間と家族になってきたか?」とか問いかけるシーンもあるしなぁ。本当の家族の話はコミックス10冊を読んでも出てこないけど、グレンが家族にこだわる理由はなんだろう。16歳の頃を描いた小説を読めばわかるんだろうか。

柊シノア(9回)

終わりのセラフ 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

終わりのセラフ 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

私は柊家ですよ?家族っていうのがなんなのかもわからず育ちました(終わりのセラフ 5 第十八話 憑依するマヒル)

そりゃあんなにクセありまくりな家族に囲まれていたら「家族っていいな」なんて思えるハズがない。そんなシノアに同じく家族なんてよくわかってないはずの優一郎がなぜか「家族とは」と熱く語り、影響を与えちゃうんだからもうわけがわからない。

なぜ優一郎がそこまで家族にこだわるのか?をシノアははっきりわかってないハズだしなぁ。やっぱり惚れてるからこその影響力なのかな?って考えが浅いよな。浅はかすぎる。

君月士方(6回)

終わりのセラフ 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

終わりのセラフ 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

君月は病に蝕まれてる家族を抱えてる割には「家族」発言は少ない。でも、やけに印象に残ったひとことがある。

もういい 俺の中の家族の定義も同じだ(終わりのセラフ 6 第二十三夜話 帝鬼軍の野望)

家族の定義ときたか。こんなクール系の君月にこんなことを言わせてしまうから終わりのセラフはたまらない。でも、ホンモノの家族がいる君月が優一郎の言う家族の定義に同調できるのは何気にすごいことだろう。どうがんばっても、妹と仲間を同じ家族とは考えられそうにないけどなぁ。

答えなんか見つからなくても楽しい。

まだいくつか家族発言はあるけど、もう気が済んだのでこれぐらいでやめておく。シノア隊の中では意外なことに三宮三葉だけが1度も「家族」と言ってないんだよなぁ。クルル・ツェぺシですらミカエラとの会話の中で1回口に出しているのに。

3,000文字に迫る勢いでつらつら書きながら考えてみたけれど、けっきょく「彼らはなぜ、こんな荒廃した世界で家族を叫んでいるのか?」に対するはっきりした答えは見出だせなかった。でも、このムダすぎる行為すら楽しい。これからも家族なんて死語になってもおかしくないような絶望に満ちた世界で、家族の虚像を追い続けるキャラクターたちをほっこりしつつ追いかけていこう。

ちなみにどうでもいいことだけど、このエントリーだけで「家族」と54回も書いている。たぶんこのブログでは過去最多だろう。

Kindle無料コミックへのリンクをブックマークしておくと、新しいマンガとの出会いがはかどる!

最近はKindleストアの無料コミックをバリバリ読んでいる。スマホのホーム画面にブックマークを置いておき、暇なときにささっとチェックしてスキな端末に送っておいてあとで読むという感じだ。

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わかりやすいAmazonのショートカット。これがKindleの無料コミック(おすすめ)へのリンクだ。

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これをタップすると、こんなふうに無料コミックがずらーっと表示されるので、ぼんやり眺めつつ、気になるものがあればどんどん購入していく。無料だから躊躇う必要なんかないさ!ボクはスマホで読むのはキツいので、だいたいKindle Cloud Readerに送ってChromebookで読むか、iPad miniに送って読んでいる。

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なんでこんなことを急にやりはじめたかというと、がめつく無料コミックをあさりたいとかそういうことじゃなくて、超気軽に面白いマンガに出会いたいからだ。くどいけど無料だし、出かけていく必要もなく、いつでも読めるもんね。まぁ、期間限定だったりするので、ちょっと気忙しく読まなきゃいけない場合もあるけど。

ちなみに今、2016年1月7日現在だと、こんな感じの漫画がそろってる。

[asin:B018QNIXDI:detail]

[asin:B018TPA6V0:detail]

[asin:B018TPA0XE:detail]

ボクがブックマークしてるリンクを貼り付けておくので、気になる人はこのリンクでチェックしてみて下さいませ。これは!というマンガと出会えるかもしれませんよー!まぁ、今さらかな。マンガ好きな人はみんなやってるのかも。

難点は、続きが気になるマンガに出会ってしまったら、買い揃えてしまって出費がかさむことだ。気をつけよう。

http://www.amazon.co.jp/s/ref=sr_st_featured-rank?lo=digital-text&rh=n%3A2250738051%2Cn%3A!2250739051%2Cn%3A2275256051%2Cn%3A2293143051%2Cp_36%3A000-00000&qid=1452176337&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&sort=featured-rankwww.amazon.co.jp

なんでこれほどまでに「よつばと!」がスキなんだろう?

「よつばと!」がスキすぎる理由を考えてみる。

それにしても、ボクはなんでこんなに「よつばと!」がスキなんだろう。最近はほとんどの漫画をレンタルで済ませるし、Kindleでセールになってれば買うこともある、という感じなのに「よつばと!」だけは発売日を心待ちにして、Amazonで買わずに近くの書店に行って買う、ということを続けている。何がそんなにボクを惹きつけるのか、急に気になったのでマジメに向き合ってみる。

絵がかわいくて魅力的すぎる。

絵が綺麗でかわいいってのは相当大きいよね。というか、それが「よつばと!」の魅力の8割ぐらいを占めてるかもしれない。くるくる表情が変わるよつばがかわいいというのはもちろんだけど、1番の魅力は動の中の静にあるとボクは思っている。ふと差し込まれる無表情なひとコマとか、いい味出してるんだよなー。いつかアニメになるようなことがあったとしたら、アレを表現するのが難しい気がする。

よつばの独特のこだわりがおもしろい。

それ、意味わかって言ってる?とか、なんでそこ?みたいなツッコミどころがありすぎて退屈しないよつばの独特のこだわりが「よつばと!」のおもしろさだ。ボクはまだ育児経験はないけれど、どんな子供にも多かれ少なかれそういうとこあるのかなぁ。まぁ、現実は笑っていられることばかりじゃなく、めっちゃイライラしたり、ツラくなったりする瞬間も多々あるんだろうけども。

よつばとマジメに向き合う人たちにほっこり。

よつばをとりまく人たちは、とーちゃんをはじめとして、あさぎもふうかもばーちゃんもみんなよつばを子供として見守りながらも、軽くあしらったりすることなく、マジメに向き合ってつきあって時に大事なことを教える、というスタイルの人たちばかりで、それがなんだか心地いい。やんだだけちょっと立ち位置が違う気がするけど、あれはよつばがやたらツンケンしてるからなー。先に変なちょっかいの出し方をしたやんだが悪いんだっけ?また読み返してみよう。

たぶん、いつかはあっけなく終わる。

たぶん「よつばと!」はいつかあっけなく終わる。いつのまにかバトル漫画になって、みんなでチカラを合わせてラスボスを倒して感動の最終回を迎えたりするハズはないし、よつばが急に「月に帰ります」とか言い出したりするのはあるかもしれないけど、あったとしたらネタだろう。すべてはとーちゃんの夢でした、とか夢オチにするなんてことはありえないだろうし、特にやたら盛り上がったり、妙にひねったりすることもなく、え?それで終わり?という感じの終わり方だろうな、と予想する。

いやー、「よつばと!」が終わった世界を想像したくないなー。もう考えるのやめようっと。ホントにスキすぎて困る。

【Amazon.co.jp限定】 「よつばと!」1-13巻セット【ダンボーBOX ver.2.0】

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自分の中に眠っていた少年の心を、ゆでたまご 嶋田先生とキン肉マンに呼び覚まされてしまった。

ライフハックの集い「cotola(ことら」でお世話になってるノリハナさんから「こーさんはキン肉マン世代ですか?」とか急にTwitterで聞かれて、ちょっと戸惑った。ボクははっきりいって直撃世代でいわゆるキン消しを気持ち悪いぐらい集めてた子供だった。コミックスはボロボロになるぐらい読み込んでいたし、毎日のように模写してキン肉マンだけでらくがき帳を何冊も消費するぐらいだった。キン肉バスターとか描くのめっちゃむずかしかったんだよなー。

別に隠す必要もないので「ボクはキン肉マン世代ですよ」と素直に返してみる。すると、なら100年会館でキン肉マンの原作者であるゆでたまご 嶋田先生の講演会が開催されるので、いっしょに行きませんか?というお誘いを受けた。

どうしよう?

たしかにボクは子供のころ、キン肉マンしか見てない時期があった。しかしその後、友情、努力、勝利を素直に信じることができないやさぐれた大人になってしまい、昨日の敵は今日の友どころか、今日の友は明日の敵とか思ってしまうようになってしまい、キン肉マンから遠ざかってしまった。

キン肉マンの連載がWEBで再開したのを知ってしばらくは懐かしく追いかけていたけれど、最近は読めてない。そんなうっすいキン肉マン愛をぶらさげて行ったら、場違いなんじゃないか?きっとわざわざ原作者の講演会に足を運ぶような人たちは、「寝ても覚めてもキン肉マン」な人たちに違いない。

まぁいいや。嶋田さんが何を語るのか興味あるし、それだけで行ってもいいよね。けっきょく、そんな感じでボクはさくっと行ってみることに決めた。

嶋田先生が語られたことをまとめてみる。

やりたい、じゃなくやる!と言ってしまえ!

できればやりたい、なんていう思いでは夢は叶わない。やると決めて周りに対して宣言してしまう。そうやって自分を追い込めば夢を叶えるエネルギーがわいてくるはずだ、と嶋田先生は熱く語られていた。

こういう言葉ってもうある程度、自分の限界を思い知ってしまっているおっさんのボクにはなかなか響いてこない。子供のころにやりたいと思い描いたことをずっとライフワークとして生涯やり続けていける人ってのは、ほんの一握りじゃないかなぁ。そうやって追い込んだらつぶれてしまうヘタレだよ、ボクは。うむ。なかなかいい感じにやさぐれているな!

自分がおもしろいと思うモノをかけ!

今はとにかく人の声を気にしすぎて、体裁よくかこうとしてしまう人が多すぎる。そんなもの僕は全然気にしない。自分がおもしろいと思うものを描くだけだ!と嶋田先生は吠えていた。

ついついウケがよさそうなものを書こうとしてしまいがちだし、こういうふうに書いたら炎上しちゃうかも?とできるだけ無難な表現を選んでブログを書いているボクにはなかなか耳の痛い話だった。まぁ、自分がおもしろいと思うモノしか書いてないつもりではいるけどね。全然トレンドとか追ってないし。

1つでいいから武器を持て!

漫画の神様と言われた手塚治虫先生から嶋田先生は「3つの武器を持ちなさい」との指導を受けたらしい。でも、嶋田先生としては、キン肉マン以外にも幽霊漫画やロボット漫画を書いてみたりもしたけれど、いまひとつだったという経験を踏まえて「格闘漫画に特化しよう。1つの武器を持てばいい」という考えに至ったとか。今は漫画の数もかなり多くなったし、1人の漫画家がいろんなジャンルの漫画を書こうとする必要はない。知らないことを知ったかぶりして描くんじゃなく、誰にも負けないと言えるモノを描くべきだ、という持論を展開された。

ボクは漫画家じゃないし、漫画家を目指してもいない。でも、この言葉はちょっと胸に迫るモノがあって、ブログを書くうえでも、誰にも負けない1つの武器を持つのは大事なんじゃないだろうか、とか考えてしまった。自己満足でいいから、このテーマなら誰より面白く書いてやる!みたいなのを1つでいいから持ちたいなー。

ボクの質問が採用された!

その後、嶋田先生への質問コーナーがはじまった。いきなり読み上げられた質問は、なんと!ボクが書いたモノだった。「漫画家をやめたいと思ったことはありますか?」というネガティブ要素を含んだ内容だ。あまりにも嶋田先生の話がポジティブな内容に終始していたから、ボクとしてはネガティブな話も聴いてみたくなったのだ。

ラーメンを食べようとしてひっくり返して火傷したとき、もしかしたら漫画を書けなくなるかもしれないと思ったことはある。自らやめたいと思ったことは1度もないとのこと。ちょっとググってみたら、あったあったよ。これかー。

togetter.com

ラーメンで火傷とか聞くと「なあんだ」と思ってしまいそうになるけど、もしかしたら足を切断しなきゃいけないかも?という状況にまで陥っていて、とてもじゃないけど笑える話じゃない。ボクは今頃はじめて知ったけど、当時は大騒ぎになったんだろうなぁ。左足がなんとか無事で本当によかった。

この質問が採用されたおかげで、なんと!嶋田先生のサイン色紙がもらえるとのアナウンスがあって、もうめちゃめちゃテンションあがった!誰か同伴者がいたら思わず声を上げたんだろうけど、ボクを誘ったノリハナさんが急遽参加できなくなってたから、ぼっちで舞い上がるのは恥ずかしすぎて、なんとか抑えた。

嶋田先生との握手とサイン色紙に震えた。

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その後、嶋田先生が再登場されて、その場で「こーさんへ」と書いて下さり、握手をしてもらった。これがキン肉マンを生み出した手だ!と大げさじゃなく感激して震えてしまった。人間って感情が高ぶったら震えるんだよ。今なら、会いたくて会いたくて震える西野カナの言うことも信じられる気がする。

やさぐれた大人になってしまった、とか言ってたけど、ボクは一瞬にしてキン肉マンを夢中で読んでいた(純真無垢かどうかはあやしい)少年に戻ってしまった。こうなると、キン肉マンを読みたくてしょうがなくなってくる。帰り道に本屋に寄ると「キン肉マン 超人閻魔帳」という少しブランクのあるボクにはちょうどよさげな公式ファンブックが目に止まった。躊躇うことなくレジへ運ぶ。

さぁ、帰ったら奥さんにキン肉バスターをかけよう。そう誓いながら、ボクは家路を急いだ。嘘だけど。それにしても、色紙を大事に抱えながら、抑えきれずにちょっとニヤニヤしてたかもしれず、キモいおっさんに見えただろうなぁ。

とりあえず、コミックスを読みまくって早く連載に追いつかなくちゃ!

キン肉マン 公式ファンブック 超人閻魔帳 (ジャンプコミックス)

キン肉マン 公式ファンブック 超人閻魔帳 (ジャンプコミックス)

【orange[オレンジ]】ひたすら誰かのために生きようとするのは、美しくも切ない。

www.izuremo.com

前に適当に借りてきて、1番続きが気になるマンガとして挙げていた「orange[オレンジ]」をさっそくまとめて借りてきて一気に読んだ。やっぱこのマンガ好きだなーと感じたので、思ったことをつらつらと書いてみる。

人生に脚本があるのはイヤだな。

「orange[オレンジ]」という物語は、あまりに繊細且つ純粋で美しい友情にあふれてる。誰もが素直に思いを口にしながらも、そこに闇はなくて、ただ切なく楽しく時間がすぎていく。こんな関係性ってあこがれるなぁ。

でも、物語として見るぶんにはいいけれど、常に未来のできごとを知りながら、ものごとに向き合って判断していくのはイヤだな。人生に脚本があって、そのとおりに生きるか、そこから外れるか?を常に問われるような日々は、たとえそれが自分の望みに沿ったものだとしても、なんだか味気ない。

別にあえてツラい思いをしたいわけじゃないし、後悔なんかできればしたくないけど、どうにもならないできごとにいきなり直面したり、失敗して眠れなくなるほど後悔したりするからこそ、時に泣けるほど嬉しい瞬間を感じられたりするんじゃないだろうか。

詳細はわからないとしても、あらすじは解っていて正しい選択肢を選び、期待した結果が訪れてほっとする。ひねくれたボクだったら、生きる意味を見失いそうだ。残念ながら、ボクは彼らの友情の中に入れるような人間じゃないらしい。そりゃ美男美女揃いだし、どう考えても中には入れないけどさーってやっぱり屈折してる。

誰かのために生きすぎていて切ない。

あと、ここまで「誰かのために生きようとする」のは切ないな。自分の世界は変わらないのに、手紙を書いて後悔をなくそうとするという物語の根幹を支える行為そのものがそうだし、誰もが翔のことを考え、翔が救われる行動を選んでいく。

自分が高校生だったころなんて、もう思い出せないほど遠い昔のことだけど、今よりもっと利己的だったはずだ。とてもじゃないけど、自分がスキだという思いを抑えこんで誰かの背中を押すなんてことは絶対できなかっただろう。そのうえ幸せな未来さえ放棄してしまうなんてできると思えない。須和はあまりにもイイやつすぎて、男のボクでも惚れそう。いや、キモいからやめれ。

それにしても、どう収束していくんだろう。たぶん、物語はハッピーエンドへと向かっていくんだろうけど、もう少し波乱が訪れそうな予感がする。最後に辿り着く場所は、翔だけじゃなく、誰もが救われる着地点であってほしいなぁ。そんな都合のいい展開があるはずないじゃないかと思いつつも、この「orange[オレンジ]」は壊さずに最後まで美しく終わってほしいと願わずにいられない物語だと思う。

そして、映画はどうなんだろう?見たいような見たくないような・・・まぁ映画館に足を運ぶまではしないと思うけど、ぜったい見るだろうな。イイ映画になってることを期待しよう。

orange : 4 (アクションコミックス)

orange : 4 (アクションコミックス)

マンガを適当に10冊借りてきて、続きが気になるランキングにしてみた。

ヒマなのでマンガを10冊適当に借りてきた。

今週末はちょっとヒマなのでコミックレンタルで無作為に10冊、マンガを借りてきた。いつも行ってる店では10冊借りれば、1週間 432円で借りられるからお得なのだ。多少慌ただしく読む必要はあるけれども。

さすがにすべて1巻を10冊借りるなんて人は珍しいのか店員に「こちらすべて1巻となってますが、よろしいですか?」と確認されてしまった。「いいんだよ、ブログのネタにするんだから!」なんてことはもちろん言わずに「は、はい」と気弱に返事を返しておく。

自分がスキなマンガをリストアップするとかっていう記事はよくあるけど、よく知らないマンガを借りてきて、とりあえず紹介するなんてのは、あまり誰もやらないと思うのでちょっとやってみる。

いつもはネットで調べて「おもしろそう」と思ったモノを借りてくるんだけど、今回はとにかく目についたマンガの1巻をかたっぱしからカゴに放り込んだ。全部ハズレだったらどうしよう?とちょっと思いながら。

続きが気になる順に紹介してみる。

10位 宝石の国

宝石の国(1)

宝石の国(1)

遠い未来、地上に生きる生物がすべて水没し、宝石生命体のようなものが現れた。彼らはそれぞれの役割を与えられ、日々、月から訪れる敵と戦いながら生きている。そんな中、落ちこぼれのフォスフォフィライトは金剛先生から戦うことは諦めろと宣告され、博物誌を編む仕事を与えられる。

これはボクには全然わからない。だって概略を書くのにかなり苦しんだし。まず、吹き出しが入り乱れていて、絵の線が細くてとても見づらい。そしてよくわからない固有名詞がいっぱい出てくるし、何が起こってるかよくわからない。「わからないから」という理由が悔しいけど、これはちょっと続きを読もうと思えないなぁ。面白いと思える人がうらやましい。

9位 新妹魔王の契約者

新妹魔王の契約者(1)<新妹魔王の契約者> (角川コミックス・エース)

新妹魔王の契約者(1)<新妹魔王の契約者> (角川コミックス・エース)

父親の再婚でいきなりかわいい義妹2人との共同生活がはじまる・・・と思ったのも束の間、なんと2人は魔族でしかも澪は魔王だった。しかし、主人公刃更は勇者の一族でありながら澪の境遇を知って彼女を守ることを誓う。

妹信仰な人にはこういうのが受けるんかなぁ。ボクは残念ながらそういう属性の人じゃないので、あまり楽しめなかった。ムダに多いエロ要素も、もうおっさんになってしまった今じゃあまり求めてないしね。絵はアニメ絵でキレイだし読みやすいんだけど、いまひとつ惹かれないなぁ。

8位 モンタージュ

モンタージュ(1)

モンタージュ(1)

鳴海大和と小田切未来は路地裏で刃物で刺され大量出血している見知らぬ男に出会う。そして、唐突に男は大和の父親が三億円事件の犯人だと告げる。それから6年がすぎ、大和はふとしたきっかけで父親が使っていた剣道の防具に触れ、そこで失われた新券五百円札を発見してしまう。

20世紀最大の未解決事件と言われてる三億円事件がテーマっていうだけで、ちょっと興味がわく。周りの人々が次々に死んだり、失踪したりしてその謎を追いかける大和と未来も事件に巻き込まれていく。1巻を読んだだけではほとんど話が見えなくて、この先の展開が気になる終わり方だった。これは続きを読むしかないな。

7位 極黒のブリュンヒルデ

極黒のブリュンヒルデ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

極黒のブリュンヒルデ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

村上良太は幼なじみの女の子クロネコを失ったこと悔みながら日々を過ごしていた。そんなとき、黒羽寧子というクロネコにそっくりな転入生が現れる。クロネコじゃないのかと疑うも彼女は人ですらなく、魔法使いだということが判明する。それでも良太は気になって関わることをやめられない。知りすぎた先に絶望的な戦いが待ち受けていたとしても。

これもボクがスキな人ならざる者系の話だ。薬を飲み続けないと無残な状態で死に至る魔法使いってあまりにもサディスティックな設定だなぁ。でも、それが少なくともこの1巻では物語の軸として展開されている。全然本筋と関係ないけど、九九のやりとりがおもしろかった。ももんが?って。1巻がひきが強い感じで終わってしまったから、2巻を読まずにはいられないなぁ。

6位 脳内ポイズンベリー

脳内ポイズンベリー 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

脳内ポイズンベリー 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

さんざん脳内会議を繰り広げた末、櫻井いちこは偶然再会した早乙女に声をかける。その後、唐突に家を片付けるという名目で早乙女の家に行くことになり、一夜を共にしてしまう。素直になれないいちこに対し、早乙女はあっさりと「じゃあ付き合う?」と切り出し、2人は付き合うことに。しかし、次の瞬間、早乙女から年齢を聞かれたいちこは暴走しはじめる。

誰もが脳内会議ってやってると思うけど、それを5人のキャラで表現するってのは面白すぎる試みだ。しかし、いちいちアレだけ激しく脳内会議やってたら、疲弊感ハンパないな。そして、会議はいつも破綻してるような気がするし、つき合いはじめから、アノ調子じゃうまくいかない気がする。まぁ、でも面白いから続きが気になるな!

5位 神アプリ

神アプリ 1 (ヤングチャンピオン・コミックス)

神アプリ 1 (ヤングチャンピオン・コミックス)

突然、主人公御子柴 亮のもとに謎のスマートフォンが届く。おそるおそる使ってみると、監視カメラやパチンコ台、信号機までもハッキングできてしまう恐るべき能力を持ったスマートフォンであることが解る。コレは神にだってなれる!と調子にのるのも束の間、そんなオイシイ話があるはずもなく、800万を超える借金を背負わされて、亮は未知の世界へと引きずり込まれていく。

これはなかなか面白い。神アプリというタイトルはダサいし、弱々しい主人公が不相応な強大なチカラを得て平和な日常が失われていく、という展開はありがちだけど、やっぱり面白い。絵はそれほど特徴的ではないけど、キレイで見やすいしね。コレは2巻も借りてみることにしよう。

4位 いなり、こんこん、恋いろは。

いなり、こんこん、恋いろは。(1)<いなり、こんこん、恋いろは。> (角川コミックス・エース)

いなり、こんこん、恋いろは。(1)<いなり、こんこん、恋いろは。> (角川コミックス・エース)

川に落ちそうになってた子犬を助けたことがきっかけで神様と出会ったいなり。お礼にひとつだけ願いを叶えてもらえると言われて、衝動的に片思いしてる彼に振り向いてほしい一心で校内のアイドル墨染さんになりたいと願ってしまう。もちろん、別人のまま生き続けるなんてできるはずもなく、今度は自分に戻りたいと願ういなりに、神様は万物に変化する能力を授けてくれたのだが・・・。

いやー、関西弁は親近感わいていいな、やっぱり。そして、どうにも抜けてて常にあたふたしてて、自分より人のことを大事に思ういなりがかわいすぎる。絵も好みだし、ほのぼのした話の展開にも癒されるなぁ。新キャラ登場で意味深な感じで終わっていくから、続きが気になってしょうがない。

3位 イノサン

イノサン 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

イノサン 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

18世紀フランス。死刑執行人の家計に生まれ育ったシャルルーアンリ・サンソンは人から蔑まれ、畏怖される己の境遇を嘆き「なぜ、人が人を殺さなければいけないのか」と死刑執行人に与えられた正義に異を唱える。しかし、生きる道に選択の余地はなく、大切なものを失いながら、望まざる死刑執行人への道を歩んでいく。

タイトルから内容がまったく想像がつかなかったけど、読んでみると18世紀フランスの死刑執行人の話だった。内容より先にあまりに独特で繊細なタッチの絵に目を奪われてしまう。そして、内容も重厚且つ陰鬱で他にはない魅力に溢れている。まぁ、万人受けはしなさそうだけど、ボクとしてはどうにも気になるマンガを見つけてしまって思わぬ収穫だった。

2位 オキテネムル

オキテネムル : 1 (アクションコミックス)

オキテネムル : 1 (アクションコミックス)

頭はキリン身体は人間のキリン男が現れて突然人を襲う通り魔事件が発生。そんな中、主人公カナタが通う学校でも事件が発生し、カナタは頭がヘビの女の死体を目撃してしまう。そして、学校には外部情報調査局が立ち入り、伝染病検査と偽って寄生虫の炙り出し捜査が開始される。

まだ1巻ではオキテネムルの能力についてはその存在意義が殆ど語られてなくて、これからの展開がかなり気になるところ。それにしても、こういう人ならざる者を軸にしたストーリーは出尽くした感もあるのに、まだまだあるもんだなぁ。そしてこれもまた面白い。まとめて読みたくなる吸引力があるな!

1位 orange

orange : 1 (アクションコミックス)

orange : 1 (アクションコミックス)

菜穂に届いた1通の手紙は10年後の自分からだった。誰かのイタズラか?と疑うものの、手紙に書かれたことが次々と起こっていき、それが真実だと認めていく。その手紙には自分の後悔が綴られていて、それを消すためにしてほしいことが添えられている。少しずつ変わりゆく未来。翔を救うことはできるのだろうか?

タイムトラベル要素があるモノは無条件に肯定してしまうところがあるので、このマンガはボクにとって反則だな。こんなにイイ感じでいる2人がなぜつき合わないだろう?でもそれがいいんだよなぁとか思いながら読んでた。感情を揺さぶるシーンでの表情の描き方、コマ割りが素晴らしくてちょっと泣きそうになった。このマンガは素直にスキだなぁ。続きを一気に借りて読みたいかも。

いぬやしきもやっぱりツカミがうますぎて、続きが気になるマンガだった。

GANTZの記憶がよぎって、なかなか手が出なかった。

いぬやしき(1)

いぬやしき(1)

正直なところ、かなりスキだったGANTZがいまひとつすっきりしない感じで終わったから、奥浩哉さんの新作「いぬやしき」にはなかなか手を出す気が起こらなくて、店頭で見かけてもスルーしてた。

が、しかし。まぁ、ゴールデンウィークだし、マンガでものんびり読むかー!とレンタルコミックの棚を眺めていたら、その「いぬやしき」が目に入ったから、借りてみることにした。

全然予備知識はない。「101」みたいに犬がいっぱい出てくるハナシだろうか?だとしたら、どんな展開なのか全然想像がつかない。

101 [DVD]

101 [DVD]

さえないおっさんヒーロー登場。

あいかわらず、やたら緻密な画風だなぁ。なんだ犬屋敷って人の名前だったのか。まさかこのさえない爺さんが主役なの?え?58歳?老けすぎ。というか、いきなり余命宣告って切なすぎ。ここからどう展開するんだ?

こんな感じにボクはあっさりと掴まれた。やっぱり奥浩哉さんは掴みがうますぎる。「さえないおっさんをスーパーヒーローにしてみたら面白そう」という思いつきだけで突っ走ってる気はするけど、エピソードの連鎖がありきたりじゃなくて、展開が読めなくて面白い。

それにしても、虐げられる弱者とどうにも抗えないような強者をわかりやすく描くことにおいては、この人の右に出る者はいないんじゃないか?と思わせるぐらい上手い。それが上手ければ上手いほど、逆転したときの爽快感は大きくなる。1話完結の必殺仕事人みたいなハナシを描いてくれたら、すげー面白いだろうなぁ。

それはさておき、抜け目なく主人公と同等の力を持った敵キャラも登場させているし、これから面白くなりそう。あまり長編化できそうに思えないけど、どうなんだろう?もしかすると、地球を救うとかいう大きすぎるハナシに展開していく可能性もあるかもしれない。

あと、これはGANTZのときから感じてることだけど、やっぱり戦闘シーンをあまりにも緻密に丁寧に描きすぎるから、戦闘が多くなるとストーリーが全然進展しないのは気になる。たぶん、映画でよくある戦闘シーンの見せ場で急にスローモーションになるアレをマンガで再現したいんだろうな、という気がするけど、ちょっとやりすぎかなぁ。

なんにせよ、3巻まで読み終えた時点では次巻が楽しみでしかたない。あまり大風呂敷を広げすぎずにさくさく展開していってくれたら嬉しいんだけどなー。既にちょっと停滞感が漂いはじめてるけど、まだまだこれから!痛快なおっさんヒーローの活躍を期待したい。

ドラゴンボールの挫折をスルーできないおっさんになってしまった。

20年ぶりにドラゴンボールを一気読みした。

ドラゴンボールZ 復活の「F」公開記念ということでKindleで20%オフになっていたドラゴンボールをスーパー大人買いして一気に読んだ。Wikipediaで調べてみると、ジャンプでの連載終了が1995年になってるから、通しで読んだのは20年ぶりぐらいになるらしい。

今読んでも全然色褪せることなく面白くて夢中になって読んでしまったんだけど、あのころとはやっぱり自分が注目するところが違っていて、ただただバトルだけをワクワクして読むという感じではなくなっていた。おっさん化するってのはこういうことかー、としみじみ思う。

明らかに自分は「その他大勢」に属する人間だと認識するようになってしまった今、選ばれたエリート孫悟空やら孫悟飯の活躍よりも、雑魚扱いされていくキャラたちのほうがどうにも気になってしまうのだ。当時はたぶん、さらりと流していたのになぁ。

ドラゴンボールの挫折に注目してみる。

ヤムチャ編

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(DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編2 其之三百四十三 ベジータ出現より)

DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

哀しいかな挫折と聞いてさっと思い浮かんでしまうのが、このヤムチャなので真っ先に取り上げてみる。挫折というか、そもそも華々しく活躍するシーンもないんだよなぁ。

クリリンより早くかめはめ波を体得しても、天津飯にやられ、繰気弾という新たな技を生み出しても、シェン(神様)にやぶれ、ついに栽培マンには殺され、人造人間20号には、一瞬で瀕死に追い込まれる。

これだけ努力が報われることがなかったら、そりゃ心が折れないほうがおかしい。どう考えても、初登場キャラの強さを見せつけるためのモルモット的扱いだもんなぁ。ヤムチャが必死に修行してる姿とかはあまり描かれることがなかったけど、それを想像しつつ「オレが一番役に立ちそうにない」なんて言うしかない状況に至った心境を思うと正直泣ける。

まぁ、熟年にはなってしまったけど、気の強いブルマよりも癒してくれる感じの女性とシアワセになってほしいと願うばかりだ。

亀仙人編

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(DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編4 其之三百六十九 人造人間対セルより)

DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

亀仙人は初期の段階で天津飯らが登場したときに、世代交代を意識して一線を退く。ただ、それでも武術の心得ある者として、自分の弟子が強大な敵と必死に戦い、ときには命を落とす姿を見ていながら、何もできずに見守るだけというのは、耐え難いものだろうと想像する。

また、少なくとも約300年ぐらいは「世界一の武天老師」ともてはやされてたんだろうから、ただのスケベじじいに成り下がってしまったと受け入れたときの心境はどんなものだったんだろう。というか、亀仙人は何歳まで生きられるんだろうか?もし、世界一の武天老師として生きた年数より、ただのスケベじじいとして生きる年数のほうが長かったら、ちょっと切ない。

天津飯編

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(DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編4 其之三百七十 新生ピッコロ決死の抵抗より)

DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

自分のことを「オレ様」とか言っちゃうような、めちゃくちゃ尊大なキャラとして登場した天津飯。しかし、ピッコロ大魔王が現れたことで、あっという間に雑魚キャラ化して、ナッパに命がけの気功砲を放つも効果なく絶命。人造人間17号にはなす術なく、一瞬で瀕死状態に追い込まれる。

ただ、天津飯の場合は、レベルが違うと認識しながらも新気功砲の連打でセルが完全体になるのを阻止したり、サタンとデンデをブウから救ったりしてるから、非力ながらも最後まで活躍の場が与えられていて、ちょっと救いがある感じ。

でも、あれだけ強さを追い求めることを目的として生きてきた天津飯が、自分の非力さを思い知らされ、もはやそれを求めても無意味と悟った後、何を拠り所に生きようとしたのかは少し気になる。引退宣言ともとれる「たぶんみんなにはもう会うことがないとおもう」と言うに至るまでには、きっと様々な葛藤とあきらめがあっただろうな。

クリリン編

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(DRAGON BALL カラー版 フリーザ編3 其之二百七十七 笑うフリーザより)

DRAGON BALL カラー版 フリーザ編 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

DRAGON BALL カラー版 フリーザ編 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

悟空のライバルであり、親友でもあるクリリンは、地球人としては最強を極めながらも雑魚キャラ化していく。ただ、クリリンの場合は最初に亀仙人に弟子入りしたときに「武術に強くなって女の子にモテたい」とか言ってるから、もともと強さは正義!みたいな価値観じゃない。

クリリンの境遇はなかなか悲惨で、ピッコロが現れる前にいきなり絶命したり、ナメック星の最長老に力を引き出してもらっても、リクームの一蹴りであっさり瀕死状態になったり、悟空がスーパーサイヤ人になるきっかけとしてフリーザーにあっけなく命を奪われたり、ダーブラに石にされたり、ブウにチョコにされて食われたりとひどい扱いを受け続ける。

でも、最終的には18号と結婚して可愛いマーロンも授かってシアワセになれたからよかったなぁ。他のキャラたちと違って、クリリンはひたすら強さを追い求めるストイックな性分じゃないから、戦士としては挫折しても、人生に挫折はしてないということが作品中で見てとれるから、ほっとする。

ピッコロ編

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(DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編8 其之四百十四 思わぬ形成逆転より)

DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

DRAGON BALL カラー版 人造人間・セル編 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

もともとピッコロは世界を手中に収め、魔の世界を創りあげるという野望を持っていたわけだけど、次から次へと強敵が現れてそれどころじゃなくなった。そのうえ、力を得るための手段として、ネイルやら神様やらと融合していく中で、もともと持っていた野望はどこかへ行ってしまったらしい。それは神様が融合前に語った「かつてのような邪悪な心はもうずいぶん消えておる」という言葉をピッコロが否定しなかったことからも解る。これは挫折とはちょっと違うな。

ピッコロは融合を繰り返したから、精神状態を追ってみると滑稽な状態に陥っている。ネイルと融合して自信満々でフリーザに挑むも、第2形態フリーザには敵わず、あっという間に雑魚キャラ化して弱音を吐きまくる。次は神様と融合してセルや17号と互角に戦う力を得たものの、その後、人間エネルギーを吸収しまくったセルには全く歯が立たず、またもや雑魚キャラ化してしまう。

ただ、ピッコロは自身の強さを追い求めることより、戦士を育成することに喜びを見出すようになった。セルとの戦いに挑む前にピッコロと同じ服をほしがる悟飯にうれしそうに応えるピッコロ。トランクスと悟天に根気よくフュージョンを教えるピッコロ。そこには、自身の強さを追い求めるよりも、生き生きとしたピッコロの姿をみることができる。

ベジータ編

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(DRAGON BALL カラー版 フリーザ編6 其之三百八 ベジータ死す!!より)

DRAGON BALL カラー版 フリーザ編 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

DRAGON BALL カラー版 フリーザ編 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ベジータはフリーザとの戦いの中で壮絶に挫折しているし、幾度となく悟空に一歩先をいかれる度に挫折感を味わっている描写がある。ただ最終的には挫折を受け入れてなくて「かならず勝ってみせる」という言葉を残しているので、他のキャラと並べて語るのはちょっと違うかもしれない。

セルとの戦いが終わった後「オレはもう戦わん」なんてベジータらしくない台詞を吐きながら挫折していて、次に登場したときには「トレーニングをつづけていた」から天下一武道会に出るとあっさり言ってのける。まぁ、挫折を受け入れて戦わないベジータなんてベジータじゃないもんなー。働きもしないみたいだから、完全に生きる意味を見失いそうだし。

ベジータだけは、何回挫折しても、あきらめず悟空に勝つことに執着し続けていてほしい。

今の感性で違った楽しみ方ができるのは面白い。

ずいぶん長々と書いたけれど、昔読んだマンガを今読み返すと、また違った視点で見ることができて面白いな。ついアラ探しばかりしてしまいそうになるけど、そうじゃなく、勝手にキャラクターの心情を深読みしたりするのは自己満足の極みだけど、なかなか楽しい。

ただ、ブログに書こうとすると、やたら時間がかかるのが難点かもしれないし、ここまで書こうと思えるマンガもそう多くはないかもしれないな。

アニメ「境界のRINNE」の魅力をゆるいファン代表として語ってみる。

たまたまHDDレコーダーが勝手に録ってくれていた「境界のRINNE」を見始めたんだけど、やっぱり高橋留美子さんのマンガは安定の面白さだ。ボクはコミックスを全巻集めるようなコアなファンではないけど、ゆるいファンの代表として、何がそんなに長年にわたって人を惹きつける魅力になっているのか、境界のRINNEを見ながらちょっと語ってみる。

境界のRINNE アニメ化記念総集編 (少年サンデーコミックススペシャル)

境界のRINNE アニメ化記念総集編 (少年サンデーコミックススペシャル)

人間の器が小さい。

いや、高橋留美子さんが、じゃなくて描かれるキャラたちがね。自ら噂を流してお布施とお供えを百葉箱に入れてもらって生計をたてる六道りんねとか、おばさん呼ばわりされることを絶対に聞き逃さず、こめかみをグリグリやらずにいられない魂子とか。

とにかく、高橋留美子の世界に描かれるキャラはセコくて人間の器が小さい。そして、人のみならず、りんねが使うアイテムもセコいものばかり。それがわかりやすい笑いにつながってる。ただ、それでも、いざというときには自らを省みず人を助けたりするから、どこか憎めない愛すべきキャラというのがお約束。でも、りんねは「オマエを助け出すのに348円もかかってしまった」とか言ってて、やっぱり人間の器が小さい。

異常なほどテンポがいい。

第2話「赤い輪の記憶」のあらすじを書き出してみる。

校内で死神の噂が流れる → ナマケモノの除霊 → 魂子が登場して真相判明 → 魂子を追って死神界へ → りんねと桜がはぐれる → 桜が堕魔死神に「やりきった!!!入場口に連れていかれる → りんねが桜を救い出す → りんねと堕魔死神のバトル → 桜がなぜ幽霊が見えるようになったのか判明

わずか20分ぐらいの時間でこれだけの展開を詰め込みつつ、ちょこちょこと笑いを差し込んでくるからおそろしくテンポがいい。現実と異世界を行き来するめまぐるしい展開は、高橋留美子さんのマンガではありがちだなぁと思いつつもやっぱり面白い。このままギャグ成分多め、1話完結型のスタイルで続いていってくれると楽しいけど、やっぱり次第にシリアス成分多めになっていくのかなぁ。

個性的なキャラがこれでもか!と登場する・・・はず。

アニメのオープニングを見ていると、知らないキャラがたくさん登場してるから、これからまた、個性的で思い込みが激しかったり、くだらない欠点を抱えた残念なイケメンや美少女なんかが登場したりするんだろう。そして、ほのかな恋愛模様も描かれたりするんだろうと予想してみる。

こうして書いてみると、やっぱりボクは高橋留美子さんの描く世界が結構スキらしいということがよくわかった。どっちかというと、ドロドロしたエグいマンガがスキなほうだけど、こういうほのぼの系もたまには摂取しておかないとね。これからしばらくは毎週土曜日が楽しみになりそうだ。

ちなみに「境界のRINNE」は第1話「謎のクラスメート」がWEBで無料で読めるので、気になる方は読んでみるべし。

club.shogakukan.co.jp

トピック「春アニメ」について