【orange[オレンジ]】ひたすら誰かのために生きようとするのは、美しくも切ない。

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前に適当に借りてきて、1番続きが気になるマンガとして挙げていた「orange[オレンジ]」をさっそくまとめて借りてきて一気に読んだ。やっぱこのマンガ好きだなーと感じたので、思ったことをつらつらと書いてみる。

人生に脚本があるのはイヤだな。

「orange[オレンジ]」という物語は、あまりに繊細且つ純粋で美しい友情にあふれてる。誰もが素直に思いを口にしながらも、そこに闇はなくて、ただ切なく楽しく時間がすぎていく。こんな関係性ってあこがれるなぁ。

でも、物語として見るぶんにはいいけれど、常に未来のできごとを知りながら、ものごとに向き合って判断していくのはイヤだな。人生に脚本があって、そのとおりに生きるか、そこから外れるか?を常に問われるような日々は、たとえそれが自分の望みに沿ったものだとしても、なんだか味気ない。

別にあえてツラい思いをしたいわけじゃないし、後悔なんかできればしたくないけど、どうにもならないできごとにいきなり直面したり、失敗して眠れなくなるほど後悔したりするからこそ、時に泣けるほど嬉しい瞬間を感じられたりするんじゃないだろうか。

詳細はわからないとしても、あらすじは解っていて正しい選択肢を選び、期待した結果が訪れてほっとする。ひねくれたボクだったら、生きる意味を見失いそうだ。残念ながら、ボクは彼らの友情の中に入れるような人間じゃないらしい。そりゃ美男美女揃いだし、どう考えても中には入れないけどさーってやっぱり屈折してる。

誰かのために生きすぎていて切ない。

あと、ここまで「誰かのために生きようとする」のは切ないな。自分の世界は変わらないのに、手紙を書いて後悔をなくそうとするという物語の根幹を支える行為そのものがそうだし、誰もが翔のことを考え、翔が救われる行動を選んでいく。

自分が高校生だったころなんて、もう思い出せないほど遠い昔のことだけど、今よりもっと利己的だったはずだ。とてもじゃないけど、自分がスキだという思いを抑えこんで誰かの背中を押すなんてことは絶対できなかっただろう。そのうえ幸せな未来さえ放棄してしまうなんてできると思えない。須和はあまりにもイイやつすぎて、男のボクでも惚れそう。いや、キモいからやめれ。

それにしても、どう収束していくんだろう。たぶん、物語はハッピーエンドへと向かっていくんだろうけど、もう少し波乱が訪れそうな予感がする。最後に辿り着く場所は、翔だけじゃなく、誰もが救われる着地点であってほしいなぁ。そんな都合のいい展開があるはずないじゃないかと思いつつも、この「orange[オレンジ]」は壊さずに最後まで美しく終わってほしいと願わずにいられない物語だと思う。

そして、映画はどうなんだろう?見たいような見たくないような・・・まぁ映画館に足を運ぶまではしないと思うけど、ぜったい見るだろうな。イイ映画になってることを期待しよう。

orange : 4 (アクションコミックス)

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