人を刺すような人のために、誰もが口を閉ざして無難に生きるなんてそりゃないだろ。

素直に感じたことを書いてみる。

ボクははてなでブログを書いてるけど、Hagexさんのことはよく知らなかった。もちろん、ブログは時々目にしていたけれど、正直なところ、あの書きっぷりはちょっと苦手であまり好んで読んではいなかった。

だからどんな人だったのか、よくわからないけど、あれだけ多くの人が悲しんでいるんだから、きっと表層しか見ることなく遠ざかったボクには分からない魅力ある人物だったんだろうなと想像する。

こう書くと、人が亡くなってるのにやけに冷ややかすぎる感じがするけど、急にHagexさんの書いたものを読み漁って、いろんな人が書いたものに影響されて、やけに賞賛したり、またはその逆のことを書きなぐったりするのは、何か違う気がして、ただ同じブログサービスを利用していた人が刺殺されたという衝撃的なできごとに対して、素直に感じたことだけを書き残しておこうと思っている。

勝手にリアル人格とネット人格が統合されてしまうのはイヤだ。

まず感じたのは、亡くなったことで本人が意図しない形で大々的にリアル人格とネット人格が勝手に統合されてしまうのがイヤだな、ということ。Hagexさんはネット人格で人前に立つことを選んだわけだから、そんなふうに考えなかったかもしれない。でも、それがイヤだなと感じる人は結構いるんじゃないかなぁ。いや、それとももう最近はそんな境界線はなくなってるから、気にしない人のほうが多数派なのかな?

書きながら気づいたけど、イヤだイヤだと言ってる割によく考えてみれば、ボクはネット人格とリアル人格にあまりギャップがなくなってるよなー。ネットではこんなふうに一方的に言葉を発するから、多少主張は強くなるかな?っていうぐらいじゃないか。とはいえ、実名を晒したくはないし、顔も晒したくない。今はギャップはあんまりないけど、それでも、ネットでは違う自分でいたいという願望は消えてないのかも。

何も語らず無難に生きるしかない?

トラブルに巻き込まれないために、こんなことを提案してる人がいる。

abematimes.com

絶望的な結論になってしまいますが、みんな"いかに誰にも恨まれず、誤解を元にした逆恨みをされない"という人生を送るべきじゃないかなと思います(AbenaTIMES)

これは考えてみれば、めちゃくちゃ理不尽な話だ。多少願望も含めて言うけど、世の中の大多数の人は、恨んだり逆恨みしたりして、人を刺したりなんかしない。でも、たしかに存在するそんな人たちのために、世の中の人すべてが言いたいことを言えなくなり、過剰に空気を読んでは、当たり障りのない言葉だけを発するようにしなければならない、なんてのはあまりにも理不尽すぎる。世にも奇妙な物語とかでありそうな話だけど。

誰かを傷つけてまで言いたいことを言う必要があるのか?ということも、もちろん考えるけど、どう配慮したって誰のことも傷つけずに何かを主張するなんてできない。ボクが何気なくTwitterで呟いてる息子との戯れも、子供ができずに悩んでる人のことをきっと傷つけてる。自分だって、不妊治療に取り組んでるときは、いろいろ考えてしまったもの。

でも、自分の言いたかったことを誰かが代弁してくれてすっきりすることだってあるし、そんな考え方もあるのか!と気づいて視野が広がったりすることだってある。単純に娯楽になることもある。そんなものがすべて失われてしまうとしたら、たしかに絶望的だ。

だいたいそんなに自分を押し殺して無難に生きていたって、何の感情もなく「誰でもよかった」とか言う輩に刺されてしまったら、どうしようもないじゃないか。うーん。これはアカンやつやな。考えれば考えるほど、深みにはまって幸福感が削られていく感じの流れだ。これぐらいにしておこう。

元からそんなに生きやすい世の中とは思ってないけど、これ以上生きづらくなるのはやめてほしいなぁ・・・。