やさしくないボクの失敗。

また一人身近な人が長期療養に入ってしまった。もうこれでうちの会社で長期療養に入った人は何人目だろう?これって近頃はどこでも多く見られる現象なんだろうか?ボクは転職したことがないから、他の会社のことは知らないけど、やっぱりこれは普通じゃないだろう。

いや、一般的にどうなのかなんてのは、はっきりいってどうでもいい。それより何より彼が今どんな状況にあるのかがとても気がかりだ。

ボクは失敗した。

先週末、彼は何か話したそうだった。どこかいつもと様子が違った。ほんの少しの時間だったと思うけど、ボクのデスクにやってきてなぜか傍らに黙って立っていた。一瞬違和感を感じたのに、仕事に追われてたボクは何を言ったか覚えてないくらい軽く彼をあしらってしまった。

そして、そのまま彼は会社に来なくなった。詳しい話は聞かされてないからわからないけど、診断書が出ていて少なくとも5月末までは休むことになるらしい。

なんだかうちの会社では、長期療養に入る人が珍しくなくなってるから、みんなすっかり慣れてしまって「またか」という感じで楽観視してるけど、状況によっては生命に関わることにもなりかねない一大事だよな。

そう考えると、先週末の自分の行動を悔やまずにいられない。いつも「人にやさしくありたい」と心がけているはずが、人よりも目の前の仕事を優先してしまった。何も気づいてなかったらまだよかったかもしれないけど、違和感感じたのに。

そんなに仕事が大事か?と問われると、全然そんなことはない。それでも今は仕事を優先せざるを得ない状況に陥っている。仕事なんかより、人の話に耳を傾けるほうが数倍大事だと思ってるのに。早く帰って奥さんとゆっくり話すことがボクにとっては一番大事だけど、なかなか帰れない。自分が思うように生きるのはむずかしいなぁ。

彼はきっともっと難しく考えて苦しんでいるんだろう。またいっしょにバカ話して笑える日が来るだろうか。いや、きっと来るはずだと思いたい。