【ターミネーター:新起動/ジェニシス】過去作に縛られない大胆な裏切りに唸らされる。

ボクは3と4にも恋をしちゃいましたよ。

ターミネーターを愛してやまないボクとしては、新しいターミネーターが公開されると聴いたときから、楽しみでしかたなくて、指折り数えたりカレンダーに☓をつけたりするぐらいの勢いで公開を待っていた。勢いだけで、ホントにはやってないけど。

さて、ネタバレしない程度に軽くレビューを書くつもりだけど、先に言っておくと、ボクは世の中的に酷評されまくった3と4をとても楽しく鑑賞できた人なので、映画館に足を運ぶかどうかを判断するには、さっぱり役に立たないことをこれからのたまうハズなのでよろしく。

そうそう、そのまえにターミネーター :新起動/ジェニシスのパンフレットでも、3と4がなかなかの勢いでなかったことにされようとしてたり、ディスられてたりしたのが面白かったので、ちょっとだけ引用してみる。

僕は文字通り、1作目と2作目に恋をしながら成長したようなものだ(スカイダンス・プロダクションズ CEO デヴィッド・エリソン)

3と4は軽くスルー。

革命的という意味において、最初の2作は、その後に作られたものと比べて、明らかにレベルが違っている。(中略)4作目では、このシリーズはただ未来の物語になってしまい、素晴らしい『ターミネーター』のハートが失われてしまったと僕は感じた。それらを取り戻すことが今作の使命なんだ。(監督 アラン・テイラー)

なかなかはっきりとディスってるなー。パンフでここまで明確に過去シリーズをディスってるのは、あまり見たことがないかもしれない。使命とまで言い切ったアラン・テイラー監督が世に送り出したターミネーター最新作は、はたしてどうだったのか?「1作目と2作目とジェニシスに恋を〜」とか言われるような作品だったのか?前置きが長くなりすぎたけど、少し語ってみよう。

とにかくめまぐるしい。

126分というそう長くもない尺の中で、シーンはどんどん切り替わり、これでもかと派手なアクションが展開され、タイムトラベルにありがちなややこしい時間軸の理屈が出てくる。

たぶん、一瞬でも画面から目を逸したらわけがわからなくなるだろう。と思ってたら、横から父親のいびきが聞こえてきた。どうでもいい情報だけど、今日は久々にうちの奥さんとボクの両親の4人で観にきたのだ。途中で奥さんも何度も意識がとびそうになったと言ってた。アラン・テイラー監督が使命感に燃えて作った映画なんだぞ!

ただ、あまりにめまぐるしすぎて緊迫感に欠ける部分はあるかもしれない。じわじわ追い詰められる恐怖とかはあんまり感じなかったかなー。

かなりふりきってるのはいいな!

ネタバレしちゃうのであまり詳しくは書けないけど、今回のターミネーターにはいくつかの裏切りがある。それらはたぶん賛否両論なんだろうけど、ボクは楽しめたなぁ。中途半端なリメイク映画を作るよりはぜったい良い。

ふりきってしまったおかげで年老いたシュワルツネッガーの存在に意味を持たせることに成功してるしね。なんでターミネーターがじじいになるんだろう?と言う疑問を抱きながら見に行ったんだけど、うまいこと解決されてて納得した。

でも、未来からやってきたヤツらにこれだけ世界をかき回されたら、ボクだったら「自分ががんばろう」なんていう気力をなくしそうだなぁ。だって、どんなにもがいても、明らかに現代に生きてる自分より優れた力を持ったヤツらがやってくるわけで。そいつらにめちゃくちゃにされてしまうかもしれないし、勝手に解決してくれちゃうのかもしれないし。自分ががんばる意味、どこにあるんだろう?とか思ってしまいそう。つくづくボクは主人公に向かない性格してるな。

最後にしょうもないネタバレというか1番気になったのは、時限転送装置で大勢の人が見守る中、全裸でタイムトラベルするのはあまりにも恥ずかしすぎるんじゃないか?ってことだった。ホントにしょうもない。