【キャスト・アウェイ】ただ生きていれば明日がくる。それだけで十分に幸せでしょ。

キャスト・アウェイ [Blu-ray]

キャスト・アウェイ [Blu-ray]

 

オススメ度 ★★★☆☆

これは新婚旅行で飛行機に乗る前に見なくてよかった。もし見てたら余計な不安が膨らんで機内で眠れなかったかもしれない。特に飛行機に乗るのがはじめてのうちの奥さんが見たことがなくてよかった。

 

自分がこのチャックと同じような状況に陥ったらどうしただろう?と考える。なんだか残念すぎるけど、せいぜい2〜3日もすれば怖くない、痛くない死に方を考えるだろうな。衣食住満たされた環境にあっても、ちょっと落ち込んだら、死にたいとか考える人間が誰もいない、何もない過酷な環境で生きていけるはずがない。

 

ちょっとヤシの実(?)が硬くて割れなかったらすぐ諦めそう。そんな簡単に火なんか点くハズないだろ、と思いながら木をこすって疲れたら諦めそう。魚を追いかけてみるけど、全然捕れなくて諦めそう。なんか書いてて哀しくなってきた。ボクはつくづく生き抜く能力に乏しいなぁ。

 

見始めたときは時間にシビアなビジネスマンが、過酷な状況を生き抜いて価値観が変わって人生も変わるような展開を想像してたんだけど、少し違った。大きすぎる喪失感の後、たぶん、人生に変化が訪れるんだろうなということを匂わせるだけで終わる。まぁ、そんなに人生うまくいきすぎると薄っぺらい映画になってしまうのかな。

 

毎日仕事をしていれば、食べることにも寝ることにも困らない。生命の危機なんてまったく意識する必要がない。そんな恵まれた環境に暮らしながら、ボクはちょっとしたことに不平不満を募らせたり、時には絶望したりする。

 

足るを知る者は富む

足るを知る者は富むとは、満足することを知っている者は、たとえ貧しくとも精神的には豊かで、幸福であるということ。

ふと、こんな言葉を思い出した。明日がないかもしれない。そんなことを微塵も考えずに生きていられる今日は、それだけで十分にシアワセだ。

 

たぶん今のボクは映画に影響されて瞬間的に足るを知ったような気になっているけど、またすぐに忘れるんだろう。ボクのような凡人が悟りの境地に到達するなんてムリなんだから、しょうがない。忘れたら、また何度でも思い出せばいい。それだけのことだ。