何気なく人のいいところを語れるのが特技です。

人を語るのは難しい。

 

なかなか人前で本人を目の前にして、その人のことを語る機会なんてないと思うけれど、送別会とか結婚式とかそういう場ではそれが求められる。せっかくだから、自分しか知らないその人のイイ面を伝えたいし、その場の空気も守りたい。

 

なんてことを考えると、話すことのハードルがどんどん上がる。とはいえ、ただ単に褒め殺ししたら、薄っぺらくて、当人は気分悪いだろうし、周りの人たちも興ざめするだろう。ただ、こんなとき、幸いなことにボクはわりと容易くその人のイイ面をいろいろと思い出せるみたいだ。

 

これはなんでもないことのようで、実はとてもシアワセな特技なんじゃないかと思えた。別に台本なんかないけれど、次から次へと、素直にその人のイイ面、尊敬できるところが口から出てくる。自分で話しながら、そういえばそうだったなぁ、と思いながら、懐かしく思えた。

 

この人とは、正直相性がいいとは言えなかった。もっといろいろ負の感情をさらけ出すようなことを言ってしまいそうにもなる。でも、いいじゃないか。もういいじゃないか。

 

できるだけ、よかったことだけ覚えていよう。

あまり見たことがない、照れくさそうな顔を見れただけでよかったじゃないか。