歌詞の意味なんて勝手に解釈して自分のモノにしちゃえばいい。

ちょっとネットでふらふらしていて感じたんだけど、歌詞の意味を知りたい人って結構いるみたい。ボクは歌詞なんて勝手に解釈して、それが合っていようが間違っていようが、心を揺さぶられたり、自分の支えになったりするなら、それでいいんじゃない?と思ってて、作詞者の意図にはあまり興味がないんだよなぁ。
 
人に相談することが苦手なボクにとって、歌詞は心が沈んだときの相談相手だ。自分の今の心情に合った歌詞を見つけて、繰り返し聴いては1人で思いっきり泣いたり、思考を整理したり、勝手に励まされたりしている。なんか言葉にするとめちゃくちゃ寂しい人みたいじゃないか(苦笑)
 
最近は歌詞にすがるほどヘコむことがあまりないので、「ただ聴いて楽しむ」というごく普通な音楽とのつきあい方をしているんだけど、たまには浸ってみるのもいいかなと思いつつ、少し苦い思い出も掘り返しながら書いてみようと思う。
 
ボクの彼女いない歴を終わらせてくれた人は、歌詞を読む人だった。メールには必ずといっていいほど、B'zの歌詞が添えられていて、最初見たときにはちょっとした衝撃だった。自分の気持ちを伝えるのに歌詞を使うというのは、ボクの中にない考え方だったから。
 
それから、ボクも自分の気持ちを伝えられる歌詞を探すようになって、それは共感を意味するから、気がついたら歌詞が相談相手になっていたという感じかな。
 

涙ナシでは読めなかった稲葉浩志の「波」を振り返る。

 

 
Rooms Records 1997-01-29
¥ 2,390
 
寄せては返す波のように いつでもゆらゆら揺れている
安らぎも不安も消えることはない
他人(誰か)を見つめて みんな生きているから (波/稲葉浩志
その人はとても不安定でいつも心がゆらゆら揺れていた。急に泣き出したかと思えば、次の瞬間には怒っていて、そして笑っていた。その度に励ましたり、笑わせたりしようと寄り添ううちにボク自身も安定感を欠いていってゆらゆらしはじめた。
 
まさにこの歌詞の通りで、生まれも育ちも異なる人と人が向き合うということは、こんなにも難しいものなのかと感じた。一瞬の安らぎを求めながらまた不安に怯える、そんな日々。
君は群青(ぐんじょう)に吸い込まれるように消えてゆくの
わかるよ これ以上は もういっしょにいてはいけないと   (波/稲葉浩志

これ以上はいっしょにいてはいけないと何度も思った。解り合えたかと思えば、次の瞬間には、目の前にいながら、心は遠くへ行ってしまう。彼女を癒すには、ボクには何かが足りないと思いながら、何が足りないのかは解らずに、それでも離れることができずにいた。

なにもかも愛してみたい 大きくこの腕を広げて
本当は君をまるごと包んでみたいよ   (波/稲葉浩志

本当はすべてを受け入れたいと思う気持ちが重なって、この歌詞を読んだり、聴いたりしながら、何度泣いただろう?どれだけ思っても、ボクにはムリだった。いろいろ葛藤した日々があったけれど、けっきょくボクらは別々の道を選んだ。

 

好き放題書いてるけど、稲葉さんがこんなことを考えながら書いているハズがない。そんな作詞者の意図とは関係なく、この歌詞はボクに寄り添ってくれていたし、今でも人と人がいっしょに生きていく中では、不安も安らぎも消えることはないという言葉はずっと生き続けている。

 

そんなわけで、ボクにとって歌詞はいつでも寄り添ってくれる相談相手であり、本来の作詞者の意図を知りたいと思ったことはない。…いや、たまにあるかな、うん(苦笑)ともかく、これからもきっと、歌詞の中に自分を支えてくれる言葉を探し続けるんだろうな。