【3月のライオン】何気ないひとことに人は救われる。

バカみたいに「人生すてたもんじゃないな!」とか思わず呟いてしまう瞬間は忘れた頃にやってくる。ボクの場合、それは誰かが発した何気ない言葉であることが多いかなぁ。

またまた3月のライオンを読んでると、ふとそんなことを考えさせられてしまった。

こんな急に手に入ったものは やっぱり また 急に消えて行っちゃうのかなあ
ーでも 今は ただ うれしくて うれしくて(3月のライオン)
「頼りにしてる」「ありがとう」そんな言葉をもらえるような自分じゃないと思ってるから、不意打ちを食らうと泣きそうになる。ボクも実際にコレはヤバい!と思ってトイレに駆け込んだことがあるから、なんか自分に重ねて読んでしまった。

なんだ、自分の居場所あるじゃないか。ここにいていいんだっていう感覚。でも、そういうのっていつのまにか消えてしまう。いや、自分の自信のなさが消してしまってるんだろうな。
どんなに  泣いても 苦しくても 決して意志を曲げなかった 
この小さな勇者に 心の中で もう一度 小さく忠誠を 誓った(3月のライオン)
ひなちゃんへのいじめが終わってホントに良かった。今現実にいじめにあっている人が読むと、そんなに甘くない、そんな簡単じゃないと憤りを感じるかもしれないけど、物語には救いがあってほしい。命を終わらせる選択をする人がいるような重い問題だから、軽々しく受け止めるべきじゃないのは、十分に解ったうえで。

それにしても、羽海野チカさんは伝えるのが難しい細やかな感情の動きを絵と言葉で巧みに伝えきる人だなぁ。なんか読んでいて心を揺さぶられっ放し。これはレンタルで読むんじゃなく、手元に置いて何度も読み返したい作品だと思い始めた。

最近そんなマンガに出会えてなかったから、素直に嬉しいな。将棋漫画だからと見向きもしなかったけど、気まぐれに手を出してみてよかった。