一生に一度と言わず、何度も行きたいこんぴらさん。

ふと思い立って急に行って来た四国旅行の話を少し書いてみようかな。
 
今はネットで調べればいくらでもその地域の情報は得られるんだけど、あえてボクはいつもガイドブックを買うようにしている。断片的に情報を集めるんじゃなく、その地域の魅力を俯瞰して取捨選択するにはとても便利なツールだし、読んでるだけでワクワク感も倍増するしね。

 

四国 (ココミル)

四国 (ココミル)

讃岐のこんぴらさんと親しまれる金刀比羅宮は、「一生に一度は行きたい」といわれる四国随一のパワースポット。785段の階段を登りきって参拝しましょう。(四国/ココミル)
「一生に一度は行きたい」とはなんたるキラーフレーズ!これはぜったい行かなくてはっ!と今回の四国旅行で、まず行きたいリストに加えたのがこのこんぴらさんだった。ということで、ホントに一生に一度は行くべき場所だったのか?なんてことを思い返しながら書いてみる。

永遠に続きそうな石段に挑む!

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ココミルにも785段って書いてあったから覚悟はしていたものの、実際にその石段を目の当たりにすると到底登りきれる気がしなかった。自慢じゃないが、普段、たまに会社で混雑したエレベーターを避けて階段を使うことがあるけれど、3階まで登るだけで呼吸が乱れてなかなか整わなくなるボクがこれに挑むのは自殺行為にすら思えた。
 
すれちがう人たちを見ていると、みんなが竹製の杖を持って歩いているのに気がついた。どうやらあちこちに竹製の杖が置いてあって100円ぐらいで貸し出ししてるみたい。わずか100円を惜しむボクは「どうせたいして役に立たないでしょ」と手を出さないことにして先へ進んだ。
 
しばらく歩いていると、なんと!無料で杖を貸してくれるお店を発見してしまった。これ、ホントに持って行っていいのかなぁと思いながら手にとって眺めていると、店の人が出てきて「帰りに戻しといてねぇ。店が閉まってたら立て掛けておいて」と声をかけてくれた。
 
なんだか知らない土地にきて、こういうあたたかさに触れると、なんとも言えないほっこりした気分に浸ってしまう。人って捨てたもんじゃないなぁとか。もちろん、帰りにはただ杖を返す気にはなれなくて、お土産をひとつ買わせてもらった。

大門前で冷やし甘酒を片手に絶景に浸る。

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大門前には休憩所があって冷やし甘酒を売っていた。もう何段登ったのか、あと何段あるのかはよくわからないけれど、ふらふらなのは間違いない。無理せず甘酒を飲みながら休むことにした。それにしても、杖がなかったらもっとしんどかったかもしれないなぁ。
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今まで登ってきた方向を振り返ってみると、見下ろす町に夕陽が沈む映画みたいな光景が広がっていた。単純なボクはそれを見ただけで、もうちょっと頑張って登るかーっ!と気合を入れ直した。

疲労も忘れる御本宮到着!

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ついに785段を登りきって御本宮に到着!かなり足腰やられてへとへとだったけれど、達成感あって疲れも吹き飛んだ!もう時間が遅かったから人が少なめでゆっくり景色を見れたのもよかったなぁ。
 
後から知ったんだけれど、実はこんぴらさんにはまだ先があったらしい。奥社までを含めると1368段もあるとか!まぁ、御本宮に到着したときに、あと583段もあるって知ってても行かなかっただろうな。知らないままに達成感に浸れてシアワセだったw
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ふと考えたけれど、日常の中には頭を抱えて悩むような無理難題が転がっているし、仕事では褒め称えられることはほとんど無く、アラ探しのようなことをされては自信を失うことも多い。
 
そんな中、こんなふうにがんばれば達成できるささやかな目標にチャレンジする機会を持てたコトは精神的にプラスになった。そんなに難しく考えなくても、高いところから世界を見渡してみると、日常の悩みなんてちっぽけなモノだと思えたりするから不思議だなぁ。
 
香川のこんぴらさん一生に一度と言わず、何度でも行きたい場所になった。ただ再訪しても、1368段はチャレンジしないかな(苦笑)