結婚が人生の終わりと思ったことはないけど、人にはすすめない。
人が飛行機を作って飛ばして泣き笑いする鳥人間コンテストをゆるりと見ていたら、とある男性にプロポーズを迫るシーンがあった。ありがちなシーンではあるけれど、彼は感動の歯車にされることを選ばず「結婚したらおわりでしょ」みたいなひどいことを言い放って画面は次の挑戦者に切り替わった。
プロポーズという一生に一度(今は何回もする人も珍しくないかも)のことを人に促されてやりたくないという気持ちはよく分かる。しかし、言葉のチョイスが悪すぎやしないか?結婚は人生の墓場だ、とか言う人がいるけれど、そういうニュアンスだろうか。人に要求されて大事なことを決めたくないという精神はいいとしても、だからといって人を傷つけていいわけがない。「オマエと結婚したら人生終わりでしょ」なんて面と向かって言った日にゃそれこそ関係性が終わってしまうよね。まだまだ誰とも結婚はしたくないということなら、もうちょい他の言い方があっただろう。
ところでボクはというと、プロポーズをちゃんとできなかったので未だにひっかかっている。遠距離恋愛で普段から言葉を尽くしていたつもりだったから、それ以上の心に残る言葉を伝えなきゃいけないと必要以上に気負ってしまった。普通に「結婚しよう」でよかったのに、何をカッコつけようとしていたのだろう。もしもボクにリーディングシュタイナーの能力があったなら、プロポーズだけはやり直したい。いや、でもあんなつらい能力はいらないな。
結婚前はいろいろあって、プロポーズもうまくいかなかったけど、ボクは結婚が人生の終わりだと思ったことは1度もない。そこからはじまって今があるんだもの。とはいえ、結婚はいいものだよと人にすすめる気にもならない。たまたま運良く自分はよかったと思える状態にいるだけかもしれず、たぶん、一緒にいて心地いいなと思える人に出会うのはむずかしい。もし、一緒にいるのがしんどいと思う人と結婚してしまったなら、それは人生の終わりかもしれない。人と人がいっしょに生きていくのはそんな簡単なことじゃないのだ。
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