アニメ「新世界より」は意味不明な序盤を抜けると、忘れがたい名作に変わる。

人間とはなんて罪深き生き物なのだろう。
 
そんな中二病みたいなことを思わずつぶやいてしまうアニメ「新世界より」をようやく見終わった。どうもボクは面白さを伝えにくいモノばかり選んでしまうみたいだけれど、何かを語らずにはいられないし、1人でもこれをきっかけに見る人がいればいいなと思いつつ、少し書いてみる。
 

少年、少女期に挫折してはもったいない!

1000年後の日本を舞台に怒涛のごとく意味不明な固有名詞がどんどん飛び出してくる。呪力という超能力みたいなものを見せながらも、淡々と描かれる田舎の学園生活。何かが起こるわけでもなく、わけがわからないまま、消化不良に時間は流れていく。
 
正直いって挫折しそうになった。発生する幾つかのイベントに意味を見出せなかったし、全然面白くなりそうな予感がしなかった。しかし、なんとか根気良く見続けた自分を褒めてやりたくなる瞬間がついに訪れて、ストーリーが急展開する。
 
自分の意志とは無関係に周りのモノすべてを壊していってしまう。それがどれほどの苦行かなんて想像もつかない。しかし、今にして思えば、傲慢になり過ぎた人間を戒める罰なのかもしれないとも思う。とはいえ、それが彼に降りかかるのは、あまりに理不尽だけど。
 

主人公がどんどん歳を重ねていく。

これもこのアニメの欠かせない特徴だと思う。何かストーリーに緊迫感が漂ってきたな、と思ったら、あっという間に月日が流れて主人公が歳を重ね、また落ち着いた状況に回帰する。このせいで、やたら緩急を感じながら、飽きずにストーリーを追いかけられる。
 
ただ、それが繰り返されるのは主人公が大人になるまでで、その後はもう後戻りできないまったく目を離せない展開に突入していく。ボクはそれまで週一ペースで新世界よりをレンタルしていたけれど、終盤は2日連続でレンタルしに行ったりしてたしなぁ。
 

共存って難しい。

あまり詳しく書くとネタバレしてしまうけれど、究極この新世界よりで語られているのは、人間の傲慢さに尽きると思う。人間の生死に干渉したり、思想に介入したり、遂には新たな生命体を作り出したりもする。繁栄をめざしながらやってきたことが、実は滅びの道に繋がっていく。
 
現実にも人間同士の命の奪い合いが行われているんだから、違う生き物同士が認め合って、共存していくなんてのは、並大抵のことじゃないな。
 
と、こんな感じにいろいろ考えさせられるアニメなので、気になった方は是非ご覧あれ!そして、なんとか序盤を乗り切るように!